そもそもPDCAサイクルとは何か?
PDCAサイクルは業務の効率化を目的としたマネジメントサイクルの一つです。
PDCAとは各工程の頭文字を当てています。
Plan(計画) | 目標設定と目標達成までのロードマップを作成します。 必ず数字目標を設定しましょう! |
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Do(実行) | 計画を実行します。 ただ、その中には純粋に『計画を遂行』するだけではなく、実行する中で問題に直面した場合には試行を行うことも『Do』なのです。 |
Chack(評価) | 実行した結果、目標を達成したのかを評価します。 また、目標を達成できなかった場合には、その原因は何なのか、改善点はどこなのかを精査していきます。 |
Action(改善) | 評価した結果、改善点 |
サイクルですので、上記を繰り返すことで業務が徐々に効率的に改善されていくというものになります。
なぜPDCAサイクルが必要なのか?
事業を行う上で、必ず目標設定があります。
例えば、あなたの会社ではネジを製造しており、新しい工場を稼働させることになりました。
既存の工場では1時間あたり10万個のネジを製造しており、新しい工場は面積こそ同じものの最新の機械を入れることで、1時間あたり30万個のネジ製造を目標としていました。
しかし、実際に稼働してみると、新工場の製造効率は1時間あたり20万個でした。
ここで『計画時の目標』と『実行結果』に差が生まれてしまいました。
目標は30万個/時間、実行結果は20万個/時間でした。
この足りない10万個/時間の原因は何なのか、機械の稼働時間が短いのか、人手が足りないのか、評価を行います。
例えば機械の稼働時間が短い場合、ただ機械を止めているわけではなく、生産が速すぎて原料の供給サイクルが足りていないなどさらなる原因があるはずです。
なので問題の本質を見つけ出し、改善します。
これを繰り返すことにより、業務を改善していくのです。
PDCAサイクルを実施するために重要なこと
目標設定を明確にすること
PDCAサイクルは目標に到達することを目指して改善策を策定し、実施して、また改善の繰り返しですから、目標がアバウトでは、改善策もアバウトになってしまいます。
目標をアバウトに「売り上げを上げる」に設定した場合、どれくらいの売り上げを目標としているのが不明確なため、顧客や取引先を増やしたりキャンペーンを行う程度なのか、根本的に商品やサービスの見直しを必要とするレベルなのかも決まりません。改善策としては「頑張る」というアバウトなものになってしまうでしょう。
ここでは具体的な数値目標を設定する必要があります。
目標は売上でも良いでしょうし、経費削減でも良いです。人事部であれば離職率の低下や平均年齢を下げることを目標にしてみてもいいでしょう。
それには、数字で目標意識を持つことが大切です。
Doはただ計画を実行するだけではない!
計画を実行するのは人です。予め決めた計画をただ実行するだけであれば、ロボットと同じです。
実行する中で『解決すべき課題』『効率化可能な作業』『発生している無駄』が浮き彫りになります。
これらを実行している中でも試行してみることで、目標以上の成果になる可能性があるのです。
そして、試行したことはCheckで妥当であったのか評価を行えばいいのです。
評価も目標と同じように数値化すること
目標と評価は数字しろ!これに尽きます。
「もうちょっと頑張ろう」「目標まであと少し」なんて評価は何の意味もありません。
何がいくら出来ていて、目標の達成率は何%なのか
目標を達成できていない所はどこなのかを明確にしなければいけません。
担当者を気遣って、問題を浮き彫りにせず、全員が頑張るなんて目標を再設定するのは愚かなことです。
PDCAサイクルが全てを解決するわけではない
ここまで説明してきて、PDCAサイクルの有効性は理解してもらえたと思いますが、このようなマネジメント手法というのはたくさんあり、PDCAサイクルはその一つにすぎません。
PDCAサイクルは1990年代後半に導入され始め、もう散々企業で導入されました。中にはうまく活用されず結果を出せていない場合もあります。
会社というのは金・人・物で動いており、その全てをPDCAサイクルが解決するわけではないのです。
PDCAサイクルというのは、会社全体に対してというよりも1部署の特定のチームに対して有効な手法だと思います。
また、企業の運営に係る大きな課題解決よりも特定のチームが抱える局所的問題を解決するのに向いているように感じます。
PDCAサイクルはやるべきことを明確にする
組織内で、自分の役目・仕事を明確にできてない人は、実はたくさんいます。
自分でやらないことリストを作って、自身が今取り組んでいる仕事をできるだけ引き延ばし、忙しい感じを演出している人です。
このような人をチーム内に作らないためにも、目標を設定し、個々の仕事を明確にし評価していくことが出来ます。
仕事でもなんでも、理想と現実ってありますよね。
誰しも理想を目指して現実とのギャップに落胆し、理想に近づくためにもがき苦しんでいるはずです。
そんな理想と現実の差を埋めるためのマネジメントサイクルがPDCAサイクルなんですね。
じゃあな!