就職活動の時、履歴書にも志望動機を書くと思うし、面接でも志望動機を言うと思うけど、特に応募理由がないからと言って、『○○という御社の経営理念に共感しました』は浅はかと言わざるを得ないです。
なぜか
多くの会社で、経営理念は経営者も悩んで考えた物
経営理念とは、経営者にとっても『ある日ポンッて出てくる物』ではなく、『自身を取り巻く環境や社会的な課題から考え抜いて出来上がった物』であることが多いです。
そのため、経営理念の字ずら通りの意味と、他にも意味を含んでいることが多いです。
そのような経営理念を、新卒の学生が簡単に理解できるとは誰も思っていないわけです。
経営者というのは最初から明確な目的を持って経営者になったわけではなく、成り行き上経営者になる場合が多いです。
親からの事業承継とか、自分であれこれ稼ぎを作っていったら事業が大きくなって会社になったとか、会社が倒産して無職になったから仲間同士で起業したとかです。
ということは、経営理念ありきで会社を作ったわけではなく、会社を持ったから経営理念を作ったということになります。
そう!ほとんどの経営理念は『後付け』なんです。
経営理念に共感するなら、自身の経験と絡めて
前述したように、会社の経営理念は経営者が考え抜いて出来上がった物です。
つまり、経営理念にはその経営者の経験が少なからず反映されています。
それは同業種で働いているといずれ誰しも経験する課題かもしれません。
自分には過去にこういう経験があるから、こんなことを社会から減らしたいと思って、こういう仕事に就きたいと思った。その経験から、御社の経営理念に非常に共感しこの会社で働きたいと思った。という作文なら、そこには経営理念をどう解釈したのかが入るので、『らしい』文章になります。
例えば、以下の2つの志望動機を見てください。
1.『大学で○○を学び、○○を使って世の中の課題を解決したいと思いました。中でも○○という御社の経営理念に共感して志望いたしました。』
2.『私の家族は○○です。私がまだ小さい頃、両親は○○でした。ある時、母がまだ小さかった私に○○と言いました。私は両親のような悲しい体験をする人を減らすため、大学では○○を専攻し、御社の○○という経営理念に共感し、御社とともに自身の夢を実現していきたいと思い志望いたしました。』
1は『自身のしたこと』を淡々と語っているだけで、熱意を感じません。それは『ストーリーがないから』です。
2はなんだかすごく熱意のある人のように見えませんか?
ストーリーがあることで、『この子は、就活の時期になったから即席の志望動機を作ったわけではなく、ちゃんと目標を持ってこれまで歩んできたんだな』って勝手に勘違いしてくれます。
そして、『自身のしたこと』は余り語らず、両親との『過去』と夢という『未来』を語ることで、なんだか人生に一貫性のある人に見えてきませんか?
志望動機には『ストーリー』がとっても大事なんです。
ストーリーの創作はダメですけど、こじつけは良いんです。
(大きな声では言えないけど、テレビで体験談の再現映像にも、体験談なはずなのに脚本家が付いてたりするじゃないですか・・・)