会社の『資本金』って結構耳にすることないですか?
もっと言えば資本主義ってなんか社会の授業で聞きませんでした?
会社の『資本金』について説明します。
資本金とは、会社のヒットポイント
会社を設立し事業を開始する時、お店を借りなきゃいけない、商品を仕入れなきゃいけない、人を雇わなきゃいけない等、出ていくお金が多いです。
社用車や土地、不動産等、これらは資産であり、上記のような流動的なお金は運転資金です。この運転資金に使うお金が資本金です。
資本金が多ければ、多少資金をロス(発注ミスや取引先の貸倒れ等、様々なリスクがある)しても持ちこたえることができますが、資本金がカツカツだと多少の失敗が命取りになりますよね?
これが会社のヒットポイントと呼ぶ所以です。
資本金は取引先も見ている
商取引の中には売掛・買掛というものがあります。
日々商品を売り買いする企業同士の取引では、都度お金のやり取りをすると、手間もかかりますし、銀行振り込みの場合、取引のたびに手数料が取られてしまいます。
なので、締め日と支払い日を定めて、締め日から次の締め日までの間の取引をひとまとめにして、支払い日にまとめて払ってくださいね。という物です。
例えば、あなたの所属するA社がB社から商品を仕入れたいと思っている場合、B社は支払い日まで「ツケ」になります。
「ツケ」が溜まっている状態で、コロッと倒産されては困るので、B社は取引の契約をする前にA社の調査を行います。
その中に体力のある会社なのかどうかを調査する一つの基準として、資本金をチェックします。
これは就職する皆さんにも言えることですね。
体力がない会社で働くというのは、倒産のリスクもあり、何かあると経営が傾く可能性があるため、社員は大変な思いをすることもあります。
資本金ってどれくらいあると良い会社・体力のある会社なの?
現在、資本金1円から株式会社が設立できます。では、どのくらい資本金があれば良いのか?
明確な基準はありません。
しかし、100万円は1つの基準で、100万円なんて普通の会社員でも頑張れば1~3年程度で貯金出来る額です。会社の運転資金が100万円以下の会社と取引するのは、相当なリスクだと思った方が良いでしょう。
ただ、資本金が1000万円未満なのは会社によっては節税※1を目的としている場合もあります。
※1 会社設立後、1年目・2年目は資本金が1000万円未満の場合、消費税の納付が最大2年間免除されます。現在、消費税は10%ですから、売上が10%減ることを考えると節税のために資本金をあえて下げていることも考えられます。
余談
余談ですが、会社の資金の流れは多くは支出から始まります。
- 商品を売る前には仕入れなければいけません。
- 商品を売る前には店舗を借りなければいけません。
- 商品を製造するには材料を買わなければいけません。
- 商品を製造するには人を雇わなければいけません。
最初に設立者(株主)がたくさんお金を持っていれば、自己資本で運営できますが、多くの場合、そんな潤沢なお金があるわけではありません。
そこで取る手段はいくつかあります。
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自己資本で可能な範囲で細々と営業し、売上から徐々に資本金を増資していく
小さなIT会社やコンサルティング系の設備投資や少ない会社はこのパターンがあるのではないでしょうか。 -
日本政策金融公庫や銀行から借り入れを行う
多くの中小企業がこのパターンではないでしょうか。
※借り入れした資金は運転資金として使用できますが、返済義務があるため、資本金にすることはできません。 -
ベンチャーキャピタル等から億単位の出資を受ける
革新的なITベンチャーなどはこのパターンで一気に多額の出資を受け、優秀な人材を高い給与で雇って、一気に上場までこぎつけますね。
会社の資金繰りの仕組みがわかってくると、見える景色も変わってくるんじゃないかな?
じゃあな!