就活生にとっては仕事を決める上で、重要な会社の福利厚生。
社員にとっては揉める原因にもなりえるのが福利厚生です。
今日は“労災保険”、“雇用保険”、“社会保険”、“厚生年金”の話です。
労働保険
労働保険は“労働者災害補償保険(労災保険)”と“雇用保険”の総称です。
会社は従業員を1人でも雇うと、加入義務が発生するため、労働保険に加入させなければなりません。
ただし、加入義務があるにも関わらず、加入させていない企業もあるようです。
厚生労働省 : 労働保険とはこのような制度です
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/howtoroudouhoken/index.html
労災保険
労働者災害補償保険(労災保険)は、あなたが仕事中や通勤中に怪我をしたり事故にあった場合(労働災害)、あなたや遺族(死亡した場合)に保険給付を行う制度です。
事業主は、法人か個人事業所かを問わず、社員を雇用する場合は必ず加入しなければなりません。
労災保険料は全額を会社が負担し、毎年定期的に国に支払いを行うことが義務づけられています。
万が一、社員が業務中に怪我や事故をした場合、国が会社にかわって治療費等の補償を行います。
社員はいざという時に自己負担なく補償を受けられ、会社は怪我をした社員への多額の補償を保険により避けることができます。
労災保険はあなたではなく、会社が入る保険です。
会社が労災保険に入っていないと、仕事中や通勤中に事故にあったり、怪我をした場合、自分の健康保険を使うことになってしまいます。
雇用保険
もし、あなたが退職したら、再就職まで収入無しになります。
でも、失業保険(失業給付金)というものがあって、退職後数か月間は少しだけお金をもらえます。この期間中に再就職してね!ということなのですが、この失業給付金の元が雇用保険です。
また、資格取得の時に少しお金が返ってくる教育給付金という制度も雇用保険から出ていたりします。(他にもあります)
この雇用保険には加入条件がありまして、会社は以下の条件を満たす社員を雇う場合は必ず加入させなければなりません。
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1週間の所定労働時間が20時間以上であること
【所定労働時間】なので、契約書上での勤務時間となります。
残業・繁忙期の臨時出勤などは含みません。 -
勤務開始から31日以上の雇用見込みがあること
これは逆説的に「1か月以内に退職する予定がある」人は入れないという意味です。
それ以外の人(契約が更新されるかわからない、今後の予定次第)は、対象になるということです。
この条件を自身の都合よく解釈して、社員を雇用保険に加入させない雇い主が居ます。
※基本的に学生は入れません。
なお、途中で雇用契約の内容が変更になり、週の労働時間が20時間以下になれば雇用保険から外れますし、20時間以上になれば加入になります。
雇用保険料は、会社と労働者が一定の割合で負担をしています。
雇用保険に社員を加入させたくない会社はこの会社負担分を浮かせたいという思惑があります。
また、あなたも会社が社員のために払ってくれているお金はお給料だけではないということを認識しておきましょう。
社会保険
社会保険は“健康保険”と“厚生年金”の総称です。
健康保険
健康保険は、知っている人が多いと思いますが、病気や怪我になった時、病院で受ける医療費を保障する保険制度ですね。
この健康保険には種類がありまして、職業によって加入する保険が違います。
また、会社の規模によっても、「組合けんぽ」とか「協会けんぽ」とか違いがあります。
厚生年金
公的年金制度とは、高齢や障害、家計を担う家族の死亡等による収入の減少を保障するために存在します。
公的年金制度の種類は、以下のとおりです。
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国民年金
国民年金は、自営業者、会社員、専業主婦など、すべての国民に共通する年金制度です。
老後を迎えたとき(老齢基礎年金)や怪我や病気で障害が発生したとき(障害基礎年金)、加入者自身や加入者であった者が亡くなったとき(遺族基礎年金)に必要な年金が支給されます。 -
厚生年金保険
国民年金がすべての国民を対象とするのに対し、厚生年金保険はその名のとおり「保険」的な意味をもちます。主に会社員が保険の加入者(被保険者)となり、万が一の場合は被保険者やその家族を対象に年金が支給されます。
国民年金に上乗せして支給されます。
健康保険料は都道府県・給与ごとに異なります。
協会けんぽの場合、WEBで公開されているので、自分の給与と照らし合わせて確認してみましょう。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/
この社会保険料ですが、たまに間違えて申告されており、過払いになっている場合があります。
私の場合は過去に、昇進して給与が増えた際(※1)、ボーナス月とかぶっており、(ボーナス込みの3か月間の給与 / 3)で標準報酬月額を計算されており、毎月数千円の過払いが発生していました。
あとで気づいて、自分で修正申告して返ってきました。
※1 通常、社会保険料の金額は年1回の報告ですが標準報酬月額が2等級以上変わった場合には、随時変更の手続きを行います。
まとめ
会社によっては加入条件を満たしているにも関わらず、保険に入れてもらえなかったり、アルバイトであれば会社の負担額を減らすために社会保険に入れないで良いギリギリの勤務時間数に調整してくる場合があります。
自身の権利をしっかり使えるように、どういうものなのか知っておきましょう。
労務関係って先輩社員も知らない人が多いから、知ってるとちょっと頭良いっぽく見られるぞ!
じゃあな!